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HGUC MSM-01S ZAKU MARINE TYPE




MSM-01S ザク・マリンタイプ


「大佐、本当にいいんですか?」
ふいに声をかけられシャア・アズナブルは立ち止まった。そして声の主、フラナガン・ブーン大尉を振り返る。
「新型の到着を待ってからでもいいんじゃないですか? 大佐が優秀なパイロットだってのは疑いようは無いですがね、いくらなんでも本当にそいつで出るんですか?」
フラナガンに言われ、シャアはデッキに格納されている一体の赤いMSを仰ぎ見た。

キシリア少将配下の潜水艦諜報部隊・マッドアングラー隊の隊長であるシャアに支給される予定の水陸両用MSは本来新型のMSMー07Sズゴックであったが、MSMー03ゴッグの実戦データを元に再調整が行われているため、彼の隊に配備されるのが遅れていた。

そこで彼が副長のフラナガン大尉に命じて用意させたのがこのMSMー01Sザク・マリンタイプである。
ジオンが地球侵攻作戦に際して水中戦に特化したMSとして最初に開発したのが、MSー06ザクⅡを水陸両用型に改造したザク・マリンタイプMSー06Mであった。だがこの機体は 本来の意味で実戦に耐えうるものではなく、後にMSMー01として改修され、さらに指揮官用にS型チューンがされているとはいえ、そのスペックは後の水陸両用MSの為のデータ収集用機体という域を出ない。
その意味からすればフラナガン大尉の心配も無理からぬ話ではあったのだが、因縁浅からぬ木馬を追っているシャアとしては、新型の到着を座して待つという心境で無いのも事実であった。

「心配は無用だよ、大尉。もちろん私とて型落ちの機体で無謀な戦いを挑もうとまでは思っていない。だが、新型が到着するまでただ指をくわえて待っているというのはどうにも性に合わなくてね」
「分かりましたよ、大佐」
シャアを説得するのは無理と諦めたのか、フラナガンはため息交じりに言った。
「ただ大佐、一応大佐に合わせてオーバーチューンもしてありますし、大佐のパーソナルカラーにも塗っちゃあいますが、あくまで試作機の域を出てない機体ですから、ご無理はなさらずに。私の方からもキャリフォルニアの方をつついてはおきますよ」
「済まないな、大尉。苦労をかける」
「いえ、大佐。お気をつけて。ご武運を」
「ああ」
頷くとシャアはコクピットに乗り込んだ。
使い慣れたザクⅡとほとんど変わらないコクピットは、むしろ落ち着く場所ですらある。今の彼にとってはこんな機体でも木馬を追うことが出来るというだけでも僥倖に思えるのだった。
「やってみるさ」
シャアはそうつぶやくと、身体に染み付いた起動シークェンスの作業に入った。

「シャア・アズナブル、ザク出る」
                                                                 

 story by sakesaka
  


1/144 HGUC RMS-192M ザクマリナーを” if 設定”にて
簡易改修してMSM-01S シャア専用ザク・マリンタイプとして製作しました。

改修点
◆頭部
□モノアイレールの隙間を狭く加工
□アンテナ基部の形状変更
□指揮官用ブレードアンテナは06R用を薄く削り込んで使用
◆胴体
□ウエストの接合部にプラ板(3.6mm)を貼り付けテーパーに加工
 より腰の入ったスタイルに変更
◆腕
□手首の関節が丸見えなのでコトブキヤのフラットバーニアを薄くスライスして取り付け
□左手の握り拳は削り込んでより自然な丸指に
◆足
□股間軸取り付け基部に1.2mmプラ板を挟んで位置を移動
◆バックパック
□ジャンクパーツを使用してズゴックタイプの物を新造
◆武器
□マリナーが装備してるミサイルランチャーをザクマシンガンに装備
◆塗装
□シャアレッド:クレオス・イタリアンレッドをベースに
 色の源マゼンタ+蛍光ピンク+ホワイト
□シャアピンク:クレオス[ガンダムカラー MSシャアピンク]をベースに
 イタリアンレッド。蛍光ピンク、ホワイトで調色
□トップコート:ガイア・フラットクリア+クレオス・スーパーつや消しクリアを使用
◆デカール
□いつものガンダムデカール[HGUCシナンジュ用]をメインに使用
 何度も言いますがこのデカールが汎用性が高く優秀で重宝しています


あとがき

このザク・マリンタイプは、いんぷさん主催、mackieさん部長のグルっぽ”私立ガンプラ学園中等部・第一回コンペ「目指せジャブロー。水泳部」”(長っ)の為に製作しました。

最初はネタとして単純にマリナーを赤くしたら面白いんじゃね?と思い始めたのですが
サケサカ氏と話していたら なんとifストーリーを作って頂けることに。
その頼んだストーリーが出来上がり読んだ時、その素晴らしさにこれはマジにやらなきゃなって思いました・・・
結果、赤いマリンタイプもそこそこカッコ良く仕上がり、サケサカ氏のストーリーの引き立て役にはなれたと思います。
素晴らしいストーリーを作って頂いたサケサカ氏に感謝です。
ある意味合作とも言えるこのザク・マリンタイプじっくりご覧下さい。


細かい改修画像はブログをご覧下さい。
↓↓↓↓↓↓↓↓
MSM-01 ザク マリンタイプ


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最後までご覧頂きありがとうございました。
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